ごりんやブログ

落語会を催しております。ご都合とお時間があいましたら、遊びにおでかけ下さい。

早稲田こみちの会

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3月5日
早稲田こみちの会
@早稲田・東寿司

こみち 豊竹屋
こみち 余興 芸者の1日
燕路 妾馬
〜仲入り〜
こみち 茶の湯

会を始めて、5年。
特別ゲストであるご自身の師匠、
燕路師を迎えての記念すべき、第20回め。
こみちさんの内心は、いかばかりか。
今日はマクラで、あれいおう
これいおう、と思っていたことを
すっかり忘れた、という告白でも
そんな彼女の緊張感が伝わる。

けれど本題に入ったら、
そんなナーバスなこころも、なんのその。
メリハリのある高座が、客席を笑いで包む。

「豊竹屋」のリズミカルな
ナンセンス・ギャグの連続は
こみちさんの、噺家としてスイッチを
オンにして、戦闘体制に入るには、
うってつけのネタ。

短めの噺で、お客の気持ちも
こみちさんの気持ちも温めた後は
「芸者の一日」。
これは ある芸者の朝から夜までの一日を、
踊りではなく「形態模写」で。
記念の会に、いかにも春らしい明るい余興。

そして「特別ゲスト」の燕路師匠。

最初はこみちさんが入門を
志願してきた時のエピソードを。
駄洒落を交えてはいたが、
とても微笑ましく、温かい。
師弟愛という月並みなものではない。
自分に弟子入りを願う人間を
初めて目の前ににする噺家の戸惑いと
是非この師匠に入門したいと願う若者
(師匠は決して「女性」とは言わなかった)
の一途さが、短いマクラの中に溢れていた。
これを楽屋でこみちさんはどう聴いただろうか。

噺は「妾馬」。

奇をてらわないことが、
こんなにもこころに沁みる高座。
師匠のお人柄がそのまま伝わる高座。
大爆笑とか、感動するとか、
そういうものを越えたところで聴かせる。
師匠が普段寄席で聴かせる高座とは、
「早稲田こみちさんの会」
という会の意味も相まって、
今回はひと味もふた味も
違うものになっていた。

最後は、こみちさんの「茶の湯

「豊竹屋」と「茶の湯」とでは
趣味の噺という意味で、
いわゆる「ネタがついてしまった」と
いえるかも知れない。

でもそれはそれ、高座のあいだ中、
お客を飽きさせない愉快なこみちさんの
魅力が全開。メリハリのある口調と
また登場人物に対する、こみちさんらしい
工夫も効いていたように思う。
噺のなかで、ダレるといえばダレる場面の
テンションを1段も2段もあげて
お客の興味を最後まで引っ張っていた。

この日は、こみちさんの高座も
もちろん良かった。それに加えいわば
プチ「燕路こみち親子会」となったことで
燕路師匠と弟子こみちさんのあいだの絆を
滅多にないことだけれど、
垣間見ることとなった。

このことが、とても良かった。

横濱小せん会

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あお馬 道灌
八ゑ馬 看板のピン
小せん 一分茶番
〜仲入り〜
小猫 動物鳴き真似
小せん 三井の黄金
 
地元横浜、戸塚出身の小せん師匠の会。
二つ目「わか馬」時代から続いている会。
 
当選ながらホームグラウンドで
師匠を応援するファンで、客席がほぼ埋まる。
 
数年前から、熱心に師匠を応援している
友人のお誘いで、年二回、
夏と冬に開かれる会に行かせて戴いている。
 
毎回ネタ出しを一席しているが、
今回は、「三井の大黒」。
入船亭の十八番、扇遊、扇辰両師匠で
何度も聴いている。
 
それでも素晴らしい「三井の大黒」だった。
やはり扇辰師匠に教わったそうで、
若い職人衆のやり取りは、そのままに
トボけた左甚五郎先生の味わいは
如何にも小せん師匠らしく。
ひと足先に春を感じさせて
暖かな気持ちにさせて戴く
 
スケの八ゑ馬さん、久しぶり。
東京の噺家上方落語やるのは貴重。
ネタは「看板のピン」だったけれど
雰囲気は十分に、上方を感じさせてくれた。
ちなみに小せん師と八ゑ馬さん、
同い年だそうです。
 
そうそう、師匠の一番弟子
あお馬さんのお披露目もあった。
鈴々舎一門の中では一番真面目そう
と冷やかされていた。
 
小猫先生も楽しく、ひと足先に
春を先取りした土曜の午後を過ごす。
 
いつもこの会に誘ってくれる
友人に感謝、感謝。
 
もちろん小せん師匠にも感謝、
ありがとうございます。
 
*写真は終演後、にぎわい座ロビーでの
小せん師匠。

太福と智六 Vol.4@西荻窪・JUHA

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太福と智六(Vol.4)
西荻窪・JUHA
 
智六 子ほめ
太福 寛永三馬術 梅花の誉れ
〜仲入り〜
太福 三ノ輪橋とか、くる?(新作)
智六 手水廻し
 
連雀亭から連荘。
 
上方の「子ほめ」を聴くと、
東京のそれが、どれほど簡略化
されているかが、わかる。
無駄を削ぎ落とした、といえば
きこえが良いけれど、
短い噺の中に、大正の終わりか
昭和の初め頃の、時代の匂い
(というと大袈裟かもしれない)
まで感じさせてくれるのは、
上方版の方が、数段上。
 
太福さんの「梅花の誉れ」。
連雀亭での「陸奥間違い」同様、
太福さんの笑いの多いネタは、好き。
落語や講談と違って、
より賑やかな要素が
強い浪曲だからこそ、映える演目だろう。
浪曲ビギナーは、太福さんの
この二つのネタ、どちらかに出会えれば
一遍に、太福さん、浪曲
好きになるに違いない。
 
一方で新作の「三ノ輪橋とか、くる?」。
これに限らず、太福さんの新作に
共通する、なんとも言えない
フワフワとした感覚が、たまらない。
 
話の中の、オトコ同士の「意味深げな」
コトバのさぐりあいは、いわば
「筋ナシ、意味ナシ、オチナシ」だが、
それが節に乗って、唸ると
浪曲になってしまう、という
これは太福さんの才能、創作能力の
スゴさなのだろうけれど、
初めて聴けば、浪曲の印象を
いともカンタンに崩してしまう。
そこが太福さんの浪曲の新しさ、だ。
 
トリは智六さんの「手水廻し」。
だいぶ以前、東京の人で聴いたきり。
久しぶりだったが、楽した。
 
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今日は太福さん、智六さんの
いい所が万遍なく楽しめたので、
いい1日だった。
 

「太福満福(だいふくまんぷく)」予約開始致します

こちらの会も予約を開始いたします。
よろしくお願いします。

浪曲師玉川太福の会
「太福満福(だいふくまんぷく)」 

日時:
2015年5月17日曜日
17時30分開場
18時00分開演

会場:
神保町・らくごカフェ
東京都千代田区神田神保町2丁目3
神田古書センター 5F

木戸銭
予約:2000円
当日:2300円

出演:
玉川太福
曲師:玉川みね子

客演:

ご予約、お問い合わせは
ごりんや、またはらくごカフェまで。

ごりんや
メール
goringya@gmail.com

らくごカフェ
電話
03‐6268‐9818(平日12時〜18時) 
メール
rakugocafe@hotmail.co.jp

太福と智六(第3.5回)@神田連雀亭

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太福と智六(第3.5回)@神田連雀亭

太福 左甚五郎 龍刻み
智六 色事根問
〜仲入り〜
智六  猫の災難
太福 陸奥間違い

太福さん曰く、「今回が7、8回め」
というアバウトな、自由なこの会。

その自由さの象徴が、初聴の智六さん。
聴く機会の少ない上方落語だけれど、
やっぱり落語のルーツは上方と思わせる、
智六さんの高座は、それほど自由度が高い。

先ず「上方落語協会」の半纏を着て
高座に上がり、世間体話のようなマクラ。
最初はとっ散らかったように思えたけれど
本題に入ると、俄然面白くなる。
「色事根問」という笑いの
モチベーションが保ち難いネタを
しっかり聴かせるのは、
智六さんの高座の自由度が高いから。
まるでフリージャズのような展開に
高座のあいだ、笑いっぱなし。

仲入りをはさんで、高座は再び智六さん。
元々「堀川」という演目が
ネタだしされていた。だけれど、
「これ、これ面白くない噺なんで、
変えてもいいですか?」
と客に聴いてしまう自由さ。
呆気にとられる、というより
この「何でもあり」の自由さに
思わず、感服してしまった。

で変えたネタは、「猫の災難」。
東京のとは、前半エピソードが
だいぶ違う。
何より酔っ払いの風情が
智六カラーに染まっていることに
大爆笑。
本来の「堀川」はどういうネタか
知らなかったけれど
智六さんの「猫の災難」聴けて大満足。

トリの高座で太福さんが、
浪曲にもこういう自由さが
あってもいいんですね」
と思わず言っていたけれど、
確かにそうだ、
まあ程度にもよるけど。

東京の落語が失いつつある
爆笑の根元を見たような気がする。
やっぱり上方落語は、外せない。

会の方は、太福さんが
智六さんの前後を
しっかり締めて、お開き。

夜は舞台はかわって@西荻
おふたりの会、夜の部を聴きます。

「らくご純情派」〜こみち・歌太郎ふたり会〜予約開始致します。

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予約を開始いたします。
よろしくお願いします。

「らくご純情派」 
~こみち・歌太郎二人会~

日時:
2015年4月22日水曜日
18時30分開場
19時00分開演

会場:
日暮里サニーホール
東京都荒川区東日暮里5丁目50−5

木戸銭
予約:2500円
当日:2800円

出演:
柳亭こみち
三遊亭歌太郎 
どちらかが二席、
どちらかがトリ、
当日決定!

客演:

ご予約、お問い合わせは
メール
goringya@gmail.com